角を持つミイラ女性の指輪
ミイラと化す鬼女(きじょ)の姿を具現した硫化銀(全表面に燻し作業を施したSilver925)とゴールド(K18)のコンビリング。
xCROWxNILxTAILxCOCKxのコンセプトに基づき、全表面を燻したシルバーが母体として用いられており、ミイラの両眼とリング裏のデザインを司る部分には18金イエローゴールドが使用されている。
たなびくドレープが印象的なウィンプル(修道服の頭巾)を被ったミイラのその姿は、角の生えた鬼女とは裏腹に、どこか聖母のようなオーラを漂わせており、同一モチーフの中に存在する愛憎の二面性を描き出している。
リング裏にあしらわれた松ぼっくりの形状に似た装飾は、人間の脳の一部である「松果体(しょうかたい)」のイメージを表現したものである。
脳の内分泌器である松果体は、ヨガなどにおいて第三の目(サードアイ)の覚醒に関係深い器官であるとされており、「啓蒙(けいもう)主義者」、すなわち「目覚めた者」を意味する「Illuminati(イルミナティ)」の側面を反映させるに相応しいデザインとして機能している。
また、リングサイドには、組織としてのイルミナティを象徴する哺乳類であるコウモリの羽が浮き彫られており、作品の荒廃した雰囲気づくりに貢献している。
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啓蒙によって人生をコントロールする
啓蒙という概念を内在的モチーフとして制作した本作。
啓蒙とは、蒙きを啓らむ(くらきをあきらむ)という原理の元に定義された思想である。
天衣無縫(てんいむほう)で超自然的に見える現象に対する根本的な法則を見いだそうとする動きであり、すなわち、願えば叶うといったような根拠のない他力本願の堕落から脱却し、自らの理性によって知ることを欲し、その知識を糧として道理に基づいた能動的な行動を伴わせることによってのみ自らの人生をコントロールすることができるという思想であると、当ブランドは解釈する。
上記の啓蒙という根幹において、鬼女の持つ二本の角は受動的で無知且つ未成熟な大人、つまり、啓蒙からかけ離れた人々に対する憤りを象徴しており、同時に、文明の進歩によって生まれた現代資本主義社会の盲目的拝金主義をはじめとする歪な情勢に対する不安感からの角、つまり、自然界の草食動物が持つ角がそうであるとされているように、捕食者に対する防衛機能としての角であると捉えることもできる。
一見、鬼女の額を貫く二本の角は、見る者に対して怒りの感情を投げ掛けるものであるが、その深層心理には、他者の悪意を恐れる恐怖の感情が伴っているのである。
これによって、本作は攻撃性と恐怖心という相反する陰陽の関係性を融合させた作品であると理解することができ、まさに「相反する概念の融合」という当ブランドのコンセプトを体現していると言えるだろう。
我々が苦しめられている現代社会に張り巡らされた悪意は、巨大な理性によって構築された堅牢な牢獄である。
その鉄格子をすり抜け、真の自由を得るために我々が成すべきことこそが啓蒙なのであり、絶える事の無い思考と情報収集によって悪意の源泉を突き止めることによってのみ、怒りや不安に基づくネガティブなジレンマを浄化させることができるのである。
それは、ひいては人生を好転させることへと繋がり、この知的情報を物理世界に落とし込んだ資産こそが「HORNED ILLUMINATI」という作品なのである。
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HORNED ILLUMINATI
(ホーンド・イルミナティ)
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2018年6月6日発表
material : SILVER925,K18
weight : 約34.3g (Silver925/31.5g K18/2.8g)
※リングサイズによって誤差あり
size : 縦2.8cm×横2.5cm
price : 公式オンラインショップ参照(時価につき変動有り)
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