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『ibero』
~不自由を象徴する黒豹リング~

作品タイトル「ibero」の語源

ギリシア神話における黒豹(クロヒョウ)即ちブラックパンサーは、抑制からの解放や限界の超越を象徴する。

ラテン語で「解放する、自由にする」、イタリア語では「自由」を意味する「Libero(リベロ)」からイニシャルの「L」を取り去った「ibero(イベロ)」は、転じて「不自由」を意味する造語となっている。
また、「イベロ」という発音は、クロヒョウリングの頭部に絡み付いた荊(イバラ)を連想させるものとなっている。

作品モチーフであるクロヒョウの何色にも染めることのできない黒という色は、個の生まれ持った自由を象徴すると同時に、その個をあらゆる柵(しがらみ)で拘束し従わせようとするこの世の支配者層に対する反骨の色でもある。

iberoの持つ精神性について、18金で作られた眼球の右目には瞳孔が表現されているが、左目には瞳孔がない。
これは、瞳孔のない左目は過去としての他者の意図に支配されてしまっている様子を示し、瞳孔のある右目は未来としての支配からの解放、即ち自由を奪還することを諦めていないということを表している。
その不屈の精神は、同じく18金製の4本の牙の存在が物語っている。

黒豹リング ibero

デザイン上の革新性

荊冠のデザインは、従来のアートには見られない革新性を孕んでおり、鉤爪(かぎづめ)状の棘を持つ荊のデザインは解放への執念深さを表し、頭部中央で千切れている茎は自由へ向けた光の道筋を表現している。

頭部に荊冠を打ち付けられたクロヒョウは、隷属させられている我々被支配者層が感じている不自由の代弁者であり、よってタイトルは不自由を意味するiberoとなった。

また、iberoの頭文字である「i」の大文字は「I」であり、「L」の小文字である「l」と瓜二つであるが、それが皮肉にもLibero(自由)になることが許されない我々の従属者感を言い得ているようで、何とも不条理な気分にならないだろうか。
iberoは、我々にそのような疑問符を投げかける作品である。

ibero

(イベロ)
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2022年11月25日発表
material : SILVER925,K18
weight : 約52g (Silver925/50g K18/2g)
size : 縦3.4cm×横3.1cm
price : 時価 (在庫状況により変動)
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